こんにちは。matchanです。
『Windowsが起動しない・・・どうしよう・・・』
PCを使っている限り、こうした突然のトラブルに見舞われる可能性は0ではありません。ハードウェアの故障・Windowsの不具合・・・昨日まで使えていたのに、急に使えなくなってしまうこともあるのです。
こうしたトラブルに備え、「回復ドライブ」「インストールメディア」といったツールを事前に準備しておくことで、復旧やWindowsの再インストールといったトラブル対応をスムーズに行えます。
今回は「回復ドライブ」「インストールメディア」の概要と、それぞれの違いについて紹介します。
回復ドライブとは
「回復ドライブ」は、Windowsが正常動作しない場合にシステムを修復したり、初期状態に戻したりするためのツールです。
Windows 8以前では「リカバリディスク」と呼ばれCD媒体で用意される(あるいはメーカ製PCであれば、PCに付属されていることもある)ことが主でしたが、回復ドライブは作成に必要な容量が多いため、USBメモリで作られることが多いです。
回復ドライブでできること
回復ドライブは主に「各種トラブルシューティング機能」「購入時の状態に戻す」機能を有しています。
回復ドライブでできること
- トラブルシューティング機能
- スタートアップ修復
- コマンドプロンプトの起動 → ここからファイル単位の救出が可能
- システムの復元
- Windows Updateのロールバック(更新前のバージョンに戻す)
- 初期化(購入時の状態に戻す)
- 当該PC用の各種デバイスドライバ も戻る(回復ドライブ作成時の設定による)
- そのPCメーカー固有のプリインストールアプリや設定も戻る(回復ドライブ作成時の設定による)
- 復元されるWindowsのバージョンは回復ドライブ作成時のバージョン
- 別途バックアップしたシステムファイルからの復元
回復ドライブの作成方法
回復ドライブを作成するには、Windowsの「回復ドライブを作成する」機能を使用します。システムファイルやドライバ、設定などが含まれたイメージが回復ドライブとする媒体にコピーされます。
作成時にはドライブに十分な容量が必要です。作成時にシステムイメージを含むかどうかで変わってきます。
- システムイメージを含まない場合:1GB以上
- システムイメージを含む場合:16~64GB以上
- タスク バーの検索ボックスで、[ 回復ドライブの作成 ] を検索して選択します。
- ツールが開いたら、[ 回復ドライブにシステム ファイルをバックアップする ] が選択されていることを確認し、[ 次へ] を選択します。
- USB ドライブを PC に接続して選択し、[ 次へ] を選択します。
- [作成] を選択します。 多くのファイルを回復ドライブにコピーする必要があるため、これには時間がかかる場合があります。
- 作成が終わるまでしばらく待ちます。
回復ドライブの起動方法
いざトラブルが起こった際、作成した回復ドライブからPCを起動することになります。その手順は以下の通りです。
- 作成した回復ドライブ(USBメモリ)をPCに接続します。
- 12キーやEscキーなど(メーカーによって異なる)を押して、ブートメニューにアクセスします。
- USBデバイスからの起動を選択すると、回復ドライブからパソコンが起動します。
インストールメディアとは
インストールメディアは、Windowsの新規インストールや再インストールを行うためのツールです。
インストールメディアでできること
インストールメディアは文字通り「インストール」が主な機能ですが、トラブルシューティング機能も有しています。
インストールメディアでできること
- Windowsのインストール
- トラブルシューティング機能
- スタートアップ修復
- コマンドプロンプトの起動 → ここからファイル単位の救出が可能
- システムの復元
- Windows Updateのロールバック(更新前のバージョンに戻す)
インストールメディアの作成方法
インストールメディアを作成するには、Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードし、これを使用してUSBメモリやDVDにインストールメディアを作成します。
- Windows 11: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11
- Windows 10: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
DVDでもインストールメディアは作成できますが、インストールしたいPCに光学ドライブが搭載されていないと使えません。USBであれば搭載されていないPCはほぼない(はず)のでUSBメモリでの作成をオススメします。
- ダウンロードした後、メディア作成ツールを管理者として実行します。
- ライセンス条件に[同意する] を選択します。
- 操作内容 のページで、[別の PC 用にインストール メディアを作成する] を選択し、[次へ] を選択します。
- エディション、アーキテクチャ (64 ビット) を選択します。
- 使用するメディアを選択します。USBメモリのほか、DVDに作成することも可能です。
- 作成が終わるまでしばらく待ちます。
インストールメディアの起動方法
作成したインストールメディアを使用する場合、以下の手順で起動します。
- 作成したインストールメディア(USBメモリ)をPCに接続します。
- 12キーやEscキーなど(パソコンのメーカーによって異なる)を押して、ブートメニューにアクセスします。
- USBデバイスからの起動を選択すると、インストールメディアからPCが起動します。
回復ドライブとインストールメディアの違い・使い分け
回復ドライブとインストールメディアはどちらも「各種修復機能」「初期化(Windowsインストール)」の機能を有していますが、細かいところで違いがあります。
それぞれの違いについて以下にまとめました。
回復ドライブ | インストールメディア | |
修復機能 | 〇 | 〇 |
クリーンインストール | ×(ドライブ作成時の環境に復元する) | 〇 |
PC固有のドライバ PCメーカ固有のプレインストールアプリ | 〇 | × |
作成可能なメディア | ・USBメモリ ・外付けHDD、SSD | ・USBメモリ ・DVD(非推奨) |
復元されるWindows | 回復ドライブ作成時のバージョン | メディア作成ツールに含まれているバージョン |
個人データ | すべて削除される | ・パーティションを削除する場合、すべて削除される ・パーティションを削除しない場合、Windows.oldフォルダ内に残る) |
メディア作成方法 | そのPCでのみ作成可能(正常起動できる時のみ) | インターネット環境があればどのPCでも作成可能 (当該PCが故障しても他のPCから作れる) |
まとめ
回復ドライブはいわば「修復機能がついたそのPC専用のリカバリメディア」、インストールメディアは「Windowsをインストールするためのメディア」なので、その目的によって使い分ける必要があります。
また、回復ドライブはそのPCが正常起動しているときにしか作成できません。この記事を見て気になった方は早速作成したほうがいいか漏れません。
なにかあってからは遅いので、事前に備えをしておきましょう!