こんにちは。matchanです。
今回はUSB3についてのお話です。
ここでいうUSB3は、後述する「USB3.0」「USB3.1」「USB3.2」の総称を表します。
要するに「USB3系だなー」と思っていただければ結構です。
今の時代の主流となっているUSB3ですが、PCのカタログを見ると
USB3.1 Gen1(USB3.0)
USB3.2 Gen1x2
などと書いてあったりして。
なにこれ!?USB3.1なの、USB3.0なの!?
調べてみると、その種類・名称について確かにややこしいことになってるんですよね。
今回、そんなややこしいUSB3の情報整理を兼ねた記事となります。
USB3とは
USB3は2008年にUSB3.0の仕様が策定されてから、現時点でUSB3.2が最新規格となっています。
- USB3.0:2008年発表。転送速度5Gbps
- USB3.1:2013年発表。転送速度10Gbps
- USB3.2:2017年発表。転送速度20Gbps
2019年に、次世代USB規格「USB4」の仕様が発表されたため、今後USB3の新規格が出ることはないと思います。
-
USBの次世代規格「USB4」とは
私たちが普段使っているUSB規格は主にUSB2やUSB3です ...続きを見る
参考:USB2.0
ついでに、比較のためにUSB2.0の情報を簡単にまとめてみます。
- 2000年4月に規格発表
- 転送速度は480Mbps
- USB2.0の端子はピンが4本
USB3規格は何度か名称が変わっている
USB3がややこしくなっている理由がこれ。
新規格の登場に伴い旧規格の名称が全て変更されています。
規格名 | マーケティング名 | 転送速度 | 接続端子 | ||
2019年名称変更 USB3.2 | 2013年名称変更 USB3.1 | 2008年 USB3.0 |
|||
USB3.2 Gen1x1 | USB3.1 Gen1 | USB3.0 | SuperSpeed USB | 5Gbps | Type-A Type-C microUSB |
USB3.2 Gen1x2 | - | - | - | 10Gbps | Type-C |
USB3.2 Gen2x1 | USB3.1 Gen2 | - | SuperSpeed USB 10Gbps | 10Gbps | Type-A Type-C microUSB |
USB3.2 Gen2x2 | - | - | SuperSpeed USB 20Gbps | 20Gbps | Type-C |
一番左の列が、現在の名称です。
2008年に登場したUSB3.0は、2013年のUSB3.1の登場に伴いUSB3.1 Gen1に名称が変わりました。
さらにUSB3.2登場後の2019年、全ての規格名を『USB3.2 Gen〇』と統一することになり、USB3.2 Gen1x1へ名称が変わっているのです。
USB3.0の中身はそのままに、名称はUSB3.2を冠しているのです。
しかも、現名称と旧名称が混在して使われているので、非常にややこしいことになっています。
例えば先ほどの表記↓
USB3.1 Gen1(USB3.0)
(これは2019年の改名前に書かれた表記だと思われますが)カッコ書きで現名称と旧名称を併記しています。
USB 3.2 Gen1x2以外は、区別しやすいようマーケティング名と呼ばれる別名がついています。USB 3.2 Gen1x2は仕様としては存在しますが、USB 3.2 Gen1x2対応の製品は出回っていないとされています。
転送速度も初期USB3.0(現USB3.2 Gen1x1)の5Gbpsに比べ、最新規格USB3.2 Gen2x2では4倍の20Gbpsを実現しています。
「Gen1・Gen2」とは
Generation(世代)の略で、「Gen2」であれば第2世代を表します。
「x1・x2」とは
信号線の組(レーン)数を表します。例えば「x2」は信号線が2組あることを表します。x2のほうがx1より転送レーン数が多いため、転送速度が速くなります。
「USB3.2 Gen2x2」でれば、USB3.2の第2世代で信号レーン数が2組ある仕様ということになります。
よく誤解されがちなのですが、「USB3.2」だから転送速度は20Gbps!というわけではありません。
USB3.2 Gen1x1であれば5Gbpsなので、「USB3.2」という表記には注意が必要です。
2017年に登場した転送速度20Gbpsの「USB3.2」を意味するのはUSB3.2 Gen2x2になります。
ややこしいので、これ以降特に必要がない限り旧名称(「USB3.0」「USB3.1」「USB3.2」)表記で統一することにします。
USB3で使われる端子について
次に、USB3で使われる端子についてですが、最初に誤解されがちなことを。それは
「規格」と「端子の形状」は無関係
ということです。
「端子の口がType-AだからUSB3.0/USB3.1」「端子の口がType-CだからUSB3.2」ということではありません。Type-AやType-Cの端子でもUSB2.0ということもあり得ます。
ケーブル購入の際は、 「規格」と「端子の形状」 の2つを確認しましょう。
Type-A
USB2.0から使われていますね。一番よく見かける端子。
- USB2.0/USB3.0/USB3.1対応。
- 一番よく見かける長方形のような形。
- 下位互換性があるため、Type-A端子であれば全て接続できる。
- USB3.0/USB3.1 Type-Aは端子の色が青色のものが主流。
- USB3.1 Type-Aは端子の色が緑色のものがある。
- 端子のピン数は9本。(USB2.0 Type-Aは4本)
Type-B
Type-BはMicro USBやmini USBも含め、外付けストレージやプリンタなど、PCではなく周辺機器に搭載されています。
- USB2.0/USB3.0/USB3.1対応。
- 正方形寄りの台形の形。
- USB3.0/USB3.1 Type-Bは端子色が青色。
Type-C
PC、Androidスマホに搭載されています。
- USB2.0/USB3.0/USB3.1/USB3.2対応。USB3.2に対応している端子はType-Cのみ。
- USB Type-A/Bと異なり、上下左右が対象の形。
- x2(信号線が2組)でのデータ転送を実現(両端がType-C端子の場合)。